石井光太(2022):ルポ 誰が国語力を殺すのか、文藝春秋
概要
著者
- 石井光太/作家
主な対象読者
- 一般・教育関係者
概要
- 子どもの国語力低下の現状・原因と、育成の事例についてのルポ
背景・考え方
- 本書の国語力とは、語彙力や読解力だけではなく、情緒力、想像力、論理的思考力を含む能力
- 家庭や社会環境により、複雑な社会で生きるための国語力が育たない事例が多い
- 家庭内の問題にせず、国・学校・NPO等による国語力育成の取組みが必要
ポイント
- 家庭内の問題(虐待、親が外国人、ヤングケアラー、ほか)、不登校・ひきこもり、ゲーム・ネット依存などの子どもには、言葉の力が育っておらず、読解力以前の基礎的能力が不足する例が多い
- ゆとり教育により国語力が低下し、その後の脱ゆとりで新しい教育は増えたが、国語の時間は増えていない
- 国や学校の取組みは、家庭格差による国語力の差を埋めるには不十分
- SNSの短い言葉では、他者への思いやりや、自分の意思・立場を表現する力が育たない
- 国語力向上の取り組み事例
- 少年院を出所した子どもへの言葉の多様性の教育(ヒューマン・ハーバー)
- 体験学習で五感・感性を刺激し、言葉の発達・国語力を育成(なぎさ公園小)
- 一つの文学作品を通読し、国語力を育成(日本女子大付属中)
- 哲学対話により、答えがない問題を考え対話力を育成(開智日本橋学園中)
(以上)