村上慎一(2020):読解力を身につける、岩波ジュニア新書914
概要
著者
- 村上慎一/愛知県立名古屋南高校校長
主な対象読者
- 中高生
概要
- 高校生との対話形式により、評論文、実用的文章(契約書など)、グラフ、文学的文章を題材として、それらの読解のための学習方法を解説
背景・考え方
- 国語は、言葉の精密な運用を目指す教科であり、よりよい人生、より豊かな生に直接かかわる
- 読解力は、読むことだけに限らず、聞くこと、話すこと、書くことのベースになる
ポイント
- 「評論文」の読解の要点は、「テーマ、意見、論拠」を自分の言葉で説明(要約)できること
- 「評論文」の読解の学習方法としては、①段落ごとの一文要約(40~50字程度の短文かつ単文)、②縮約(①を基に文章全体を縮小して再構成すること。ただし、字数制限し、元の文章の表現を使い、適切に段落構成する)、③要約、という手順で進める
- 「グラフ」の読解では、グラフに直接書かれていない情報(どのような文脈でグラフが提示されたかなど)が重要。文脈の読み取りは、物事を俯瞰する目、批判的に検討する目(クリティカルシンキング)が必要で、それは論理的文章(評論文)の読解トレーニングで鍛えられる
- 「文学的文章」の読解は、出来事の前後での人物の心情変化を捉えることが重要。心情の読解に際しては、自分の心情を投入せず、文章の中の時代・社会状況などを想像して考えることが必要
- 文章を書くためには、読解できることが必要。課題文がある小論文では、テーマを正しく読解した上で、それに沿って自分の意見、論拠を書くこと。
(以上)